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夢見る夢子
第7章 少年A

たちまち夢子の体がカァ~っと熱くなった。

『ほら、おねえちゃん、これで信じてくれる?』

心の中で男の子の声が響いた。

えっ?
この子、私の中に潜り込んだ?

誰かの意識の中に潜り込むことはあっても
自分の体の中に憑依されるのは初めてだった。

『俺、昨日も体を抜け出して
病院の中をウロウロしてたんだ
そしたらさ、おねえちゃんの意識が
看護士の斎藤さんの中に入っていくのが見えたんだよね』

ちょ、ちょっと勝手に人の心の中に
入り込むのはやめてよね!

夢子は必死に男の子の意識を追い出そうとしたが
彼は出ていってくれない。

『斎藤さんの体に潜り込んで
何をするのかと思って、
俺、ずっと上から見てたんだよ』

えっ?ずっと?

『そうだよ、ずっとだよ
看護士の斎藤さんの体を借りて
おねえちゃん、外科のお医者さんと
イイことをしてたよね?』

そんな!夕べの一部始終を見られちゃったの?

『いいなあ~…
俺も誰かの体を借りてエッチな事がしたいなあ…』

すればイイじゃない!

『でも俺、女の人を口説いた事もないし
エッチな事のやり方も知らないんだよね』

そっか…中学生だから童貞なのね

『それに、人の体で気持ちいいことするより
自分の体で気持ちいいことをしたいんだ』

じゃあ、君が大人になるまで
我慢すればいいじゃない

『それがさあ…
俺にはどうも時間がないらしいんだよ』

それって…つまり…
君はもうすぐ死んじゃうってこと?

夢子は男の子の告白を聞いて愕然とした。






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