この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夢見る夢子
第7章 少年A
たちまち夢子の体がカァ~っと熱くなった。
『ほら、おねえちゃん、これで信じてくれる?』
心の中で男の子の声が響いた。
えっ?
この子、私の中に潜り込んだ?
誰かの意識の中に潜り込むことはあっても
自分の体の中に憑依されるのは初めてだった。
『俺、昨日も体を抜け出して
病院の中をウロウロしてたんだ
そしたらさ、おねえちゃんの意識が
看護士の斎藤さんの中に入っていくのが見えたんだよね』
ちょ、ちょっと勝手に人の心の中に
入り込むのはやめてよね!
夢子は必死に男の子の意識を追い出そうとしたが
彼は出ていってくれない。
『斎藤さんの体に潜り込んで
何をするのかと思って、
俺、ずっと上から見てたんだよ』
えっ?ずっと?
『そうだよ、ずっとだよ
看護士の斎藤さんの体を借りて
おねえちゃん、外科のお医者さんと
イイことをしてたよね?』
そんな!夕べの一部始終を見られちゃったの?
『いいなあ~…
俺も誰かの体を借りてエッチな事がしたいなあ…』
すればイイじゃない!
『でも俺、女の人を口説いた事もないし
エッチな事のやり方も知らないんだよね』
そっか…中学生だから童貞なのね
『それに、人の体で気持ちいいことするより
自分の体で気持ちいいことをしたいんだ』
じゃあ、君が大人になるまで
我慢すればいいじゃない
『それがさあ…
俺にはどうも時間がないらしいんだよ』
それって…つまり…
君はもうすぐ死んじゃうってこと?
夢子は男の子の告白を聞いて愕然とした。