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自慢の母親
第1章 自慢の母親
そんなある日、クラスメートの田中達が我が家に遊びに来たいと言ってきたのだった。

勝手には決められないから、母さんに相談すると2つ返事でOKが出た。

母さんはどちらかと言うと控えめで大人数の人が集まる所が苦手だったのだが、我が家に遊びに来るクラスメートの事はいつも歓迎してくれるのだった。

勿論、僕の為に・・


田中達が我が家に遊びに来たいと言うのは、母さんに会いたいという理由もあったのだ。

一度、母さんに会った連中は間違いなく母さんのファンになるのだった。

優しくて清楚な美人の母さんは皆の理想の女性なのだそうだ。

今回は学校一のイケメンの戸田も来るというから驚いた。

女には不自由しないイケメンの戸田がまさか母さん目当てで来るとは考えられなかった。




「お邪魔しまーす!」
 
「こんにちは〜」

田中達がやってきて賑やかになった。

「いらっしゃい。いつも健介がお世話になってます」
 
母さんも玄関まで行って皆を出迎えてくれた。

「母さん、戸田は初めて・・だよね?」

僕は戸田を母さんに紹介した。

「戸田です。今日はお世話になります」

戸田は礼儀正しく挨拶するのだった。

「後でケーキを持って行くから・・」

母さんが僕に声をかけてきた。
 
「うん、ありがと!」

母さん手作りのケーキは美味しかった。
  
僕もいつも楽しみにしているのだ。




僕の部屋にテーブルを置いて、皆で適当に座っているのだが、戸田は一人だけ僕のベッドに横になっていた。
 
勝手にベッドを使っているから文句を言ってやろうかと思ったが、初めて来た戸田に声を荒げるのもどうかと思い控えたのだった。

本来は皆で合同勉強会をやるという名目で集まっているのだが、実際には女の子の話や世間話をして終わってしまうのがいつものパターンだった。 

皆が何年何組の誰が可愛いとか、誰と誰が付き合っているだとかそんな他愛のない話で盛り上がっている時も戸田は関心がない様子でスマホをいじっているのだ。

「おい、お前は今は誰と付き合っているんだ?」

斎藤が戸田に聞くのだった。

「別に・・今はいない」

戸田がクールに答えるのだった。

「まじかよ!戸田位のイケメンなら、女なんか選び放題なのによ」

田中も悔しそうに言うのだ。

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