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自慢の母親
第2章 初めての不倫
戸田とのデートは次の土曜日に決まった。

勿論、健介にも内緒だった。

ゆかりと戸田は隣の県にあるレジャー施設に向かっていた。

ゆかりも戸田も他所行きの服装だった。

戸田は今時の若者といったラフな出で立ちで、ゆかりは白のワンピース姿だった。

白のワンピースなど着るのは何年振りだろう?

ゆかりは若い頃に戻ったような解放感に包まれ、戸田とのデートを心から楽しもうと思っていたのだった。

2人はジェットコースターや観覧車、ゴーカートや回転木馬に乗ってレジャー施設を満喫したのだった。

「お腹空いたわね。何か食べよか?」

ゆかりは施設内にあるハンバーガーショップからハンバーガーとチキンナゲット、ポテトにコーラを買ってきてベンチに座りながら食したのだった。

「あー、来てよかったあ!こんなに楽しいの久しぶりだわ」

ゆかりの本音だった。

独身の頃に戻ったようで晴天にも恵まれて解放感100%だった。

「おばさん、可愛いです!」

「え・・?」

戸田がボソリと呟き、ゆかりは驚いて戸田の顔を見た。

「ちょ、ちょっと・・大人をからかうんじゃないの!」

ゆかりは照れ隠しに戸田の頭を軽く叩いたのだった。

「お世辞じゃないですよ!今日のおばさんはいつもより輝いています」

戸田がゆかりを見詰めながら褒めるのだった。

「えー?男の人にそんな事言われたの何年振りだろう?」

ゆかりは両手で火照り出した頬を押さえながら、しみじみと心の内を洩らしたのだった。

「おばさんを・・好きになってもいいですか?」

戸田が真剣な顔付きで告白するのだった。
 
「え・・?」

あまりに突然の告白にゆかりは気が動転してしまった。

「マジですよ!」

戸田が顔を近付けて来て繰り返した。

「あ、あの・・ちょっと待って・・戸田君、もう一度言うけど、大人をからかわないで・・。私、びっくりしちゃって・・」

ゆかりは一人で焦っていた。

まさか、戸田に告白されようとは・・

40を過ぎて、自分が女である事すら忘れかけていたのにまさかこんな形で若者から告白されようとは・・

「戸田君、私も戸田君が好きよ・・。でも、それは男と女の“好き”じゃなくて・・息子のお友達として・・」

ゆかりは必死に言い訳を考えていた。

すると、そんなゆかりの頬に戸田がキスをしたのだった。  

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