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I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編
「だったらさ、何で美月ちゃんの結婚披露宴で、能面みたいな顔出来るんだ?おかしいだろ?」
「え......能面...?」
「俺が代表スピーチしてる時にさ、偶々奴の両親と目があったんだ。父親は涙目になってた。意外と涙脆い方だったのかと思いながらそのまま母親を見たんだ。ピクリとも笑ってなくてさ、無表情で黎一を見ていたんだ。でも俺と視線が合った瞬間、慌てて取り繕った笑みを浮かべ始めてさ...鳥肌立ったぜ。母親とは間違いなく不仲だよ。」
「き、気づきませんでした。式も披露宴もニコニコ笑っていたイメージがあったので....。」
「流石に息子の結婚式に出席しておいて、母親がずっと無表情でいるのは変だろ?表の顔が崩れた瞬間を偶々俺は目撃しちまったんだろうな。」
「な...なるほど。じゃあ黎一さんが秘密主義なのもお母様との親子関係に原因が潜んでいるって感じなんでしょうか...?」
「そうだろうな。だが、他の部分は分からねえ。」
「他の部分..........もしかして黎一さんのご夫婦の仲も険悪...とか?」
「そりゃあ悪いだろう。夫婦仲良好で、息子と仲悪くなるか?」
「確かにそう思うんですが、...普通に見えたので...。」
「仮面夫婦なんじゃねえの?後、黎一と父親の関係性もあまり良いとは言えねえだろう?アイツ公務員だけは絶対なりたくないって言ってたんだぜ?父親は元県職員なのによ。」
「そうですよね....親が公務員なら詳しい話も聞けますし、受けてみようかなってなりますよね....親子関係に問題が無ければ、ですけど。」
「アイツとアイツの両親達は謎と闇が多い。あんまり俺からの情報は役に立たなかったかもしれんが、黎一を揺さぶるぐらいのネタにはなった筈だ。ちゃんと教えてもらえよ。」
「.........旧友の西條さんにすら秘密にしている事を私なんかに教えてくれるんですかね...?😓これから信頼関係築けていけるのかなって心配になっちゃいました」