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I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編
「アイツは美月ちゃんを信用していないわけじゃねえよ。嫌われるのが怖いだけだ。」
耳を疑うような西條さんの言葉に私は目を大きく見開く。
私に嫌われるのが怖い?
物怖じせずに常にハッキリとした自己主張が出来る彼が...?
いや...まさか....そんな事...。
「まさか、そんな事あるわけ無いって思っただろ?🤣それがあるから言ってんだよ、美月ちゃん。」
「こ、心の中読まないで下さい。それに彼が私に嫌われるのが怖いって意味が分かりません。別に私、恐妻じゃないのに....。」
「違うって、そういう意味じゃねえよ。アイツは絶対言わないけどさ、心の中じゃ人一倍愛情に飢えてんだよ。過去の女への執着行為の数々もそうだろう?その原因が闇に包まれた家庭環境だとは断定出来ないが、アイツはずっと幸せな家庭に憧れていた筈だ。で、今、思いがけず手に入ってしまった。奴の性格から予想するに何が何でも美月ちゃんを手放したくないって腹の底では思ってんじゃねえの?」
「......でも結婚して安心したから、彼の独占欲が薄れて束縛行為も無くなってきたという可能性も.....。」
「まあ...考えられなくもないが、婚姻前の独占欲がそう簡単に薄れるとは思えねえんだよな。その病的な独占欲のせいで、今までトラブル起こしてきたからさ。未だ完治出来無いが、自分の束縛行為が発端で美月ちゃんに拒絶されて、果ては夫婦関係の崩壊に繋がる事が怖いんじゃねえの?だから意識的に発言や行動には気をつけてるだけって思っちまうがな....。」
「そうなんでしょうか.....それじゃ彼、私に遠慮ばかりしてたって事ですし、それって結構なストレスなんじゃ....。彼、私には我慢すれば良いという考えに固執するのは危険だから、言いたい事はハッキリ言えって言ってたのに....。」
「自分は本音を明かさない癖に、美月ちゃんの心は把握したいってか?(笑)まあ美月ちゃんに不平不満を抱いて欲しくないって気持ちもあったんだと思うが、なんつうか...狡賢しい匂いがプンプンするけどなぁ....(笑)そこんとこはアレだな、アイツを叩き起こして聞くといい。酒で頭まわんねえだろうから(笑)」