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I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編
「分かった。全てを話す。俺の本音や家庭事情全てだ。お前には知る権利があり、同時にそれを拒む権利が俺に無いからだ。」
「!は、話して下さるんですね!う、嬉しいです!」
「ただし...その...条件が有る。」
「条件...?条件とは...?」
「全てを知ったとしても....その....俺との婚姻関係を解消しないと誓ってくれ。いや...少々語弊があった。何も今後も私への愛を貫けと強制しているわけでは無い。ただ...離婚届だけは出すなとお願いしている。その他の自由行為への規制はお前との話し合いの結果次第だ。」
歯切れ悪くそう条件を出してきた彼に、私は目を丸くしてしまった。
やはり、西條さんの言う通りだったのだ。
ただ後半、彼の言っている意味が理解出来なかった。
「む、無論、それは誓います。元々、貴方と離婚するつもりなら結婚なんてしてませんから。何があろうと貴方の妻でいます。」
「..............仮にその約束が果たせなくなった場合、お前はどういった責任を取るつもりだ?」
「あの...さっき、離婚はしないって言ったばかりなんですけど...」
「お前の言葉を疑っているつもりは無い。だが念の為だ。一応聞いておく必要がある。」
離婚はしないと私が告げた瞬間、安堵の表情を浮かべた彼だったが、すぐさま無表情へと戻ってしまった。
何となくだが、絶対に言葉の選択肢を間違えてはいけない。軽率な考えを発してはならない。
彼に威圧されていたわけでもないのに、妙な緊迫感を本能的に感じ取ってしまっていた。