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I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編


「西條の言う通りだ。私は既成事実が欲しかった。半ばストックホルム症候群に近い状況を作り上げ、お前を妊娠させ、責任を取るという名目で強制的に婚姻関係を結ぶ事が目的だった。だが、途中からお前に拒絶されながら強姦を繰り返す事は不可能だと身に染みて感じた為、「欲しかった」と吐き出すしかなかったんだ。」


「その後、私が黎一さんのプロポーズを受け入れたから、貴方の中で最終目的だった筈の結婚がアッサリ果たされてしまい、安心して私に問われるまで忘れてしまっていたと....そういう事なんでしょうか?」


「まあ...そうだな。お前もとうの昔に忘れているだろうと思い込んでいた。その部分に関しては、完全に気を抜いていた為、咄嗟に嘘が出てこなかった。」


「もう....嘘はいいです。それが例え私を思いやる為についた嘘だったとしても、今みたいにバレたら何の意味もありません。もう止めて下さい。」


「分かった。だが虚言癖がある為、すぐには恐らく止められん。努力はするが、時間がかかる。」


「ゆっくりでいいです。今は恋愛感情ですけど、もっと歳を取れば、家族愛へと変わっていくと思うんです。少しずつでいいので、なんでも言い合える関係性にしていきたいと思ってるので。」


「家族愛か...。経験が無い。」


「..........え........?」


「血の繋がりも父親だけだ。現在の母親とは一切無い。言わば養親だ。私は父の不倫相手の子供だ。無くて当然だ。」


まるで他人事のように、自分の生い立ちを語り出した黎一さんに、私は一気に背筋が冷たくなるのを感じた。




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