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ふぞろいのザクロたち
第6章 真佐子の母

翌朝、夫は上機嫌で出勤して行った。

佐智子は朝食をトレイに並べて
真佐子の部屋へと運ぶ。

ドアの前には昨夜の夕飯の食べ残しが置いてある。

いつもと同じように残飯の上にメモが置いてある

『美味しかった、ありがとう』

いつもはそんな文字が並んでいるのに
今朝は走り書きで
『エロじじい!エロばばあ!
いい歳してヤリまくるんじゃねえよ!!』と
佐智子と夫を罵倒する言葉が添えられていた。

聞かれたんだわ!
そうよね、最後は絶叫してしまったもの…

娘が何かに悩んで苦しんでいるのに
セックスされて喜びの声を上げるなんて
ママは最低な女だわ…

「違うの!
ママ、あんなことをするつもりはなかったの」

許して…許して頂戴…

佐智子は真佐子の部屋のドアの前で泣き崩れた。



ホームルームを終え
今日もまた真佐子の席が空席なのを見届けて
担任の真砂洋介はため息をついた。

「なあ、恵美里、
ほんとに何があったのか知らないのか?」

洋介は普段から真佐子と仲良くしている恵美里に
それとなく様子を伺った。

「それが、ほんとにどうしたのかわからないの
LINEしても未読スルーだし
電話をかけても受けてくれないのよ」

気にはなっていたが、
恵美里にはどうすることもできなかった。

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