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ふぞろいのザクロたち
第6章 真佐子の母
「きゃっ!」
永らく気に病んで運動をしていなかったのだろう
公園のわずかな段差に佐智子はつまずいてしまった
転倒しそうになるのを
洋介はあわてて佐智子を抱きかかえた。
中年女性らしいふくよかなボディ…
洋介はますます佐智子を女として意識した。
「真佐子のお母さん、
明日、気晴らしにドライブでもどうですか?」
「ええ…
でも、真佐子の食事を作らないといけませんし」
「そうだ!
真佐子には、お弁当などいかがでしょう?
彼女が外出したくなるような
華やかなお弁当を作ってあげませんか?」
「それ、いいかもしれませんわ」
佐智子の表情がパァと明るくなった。
『いい笑顔だ』
ますます洋介は佐智子を女として意識しだした。
翌日、洋介と恵美里が真佐子の家を訪ねてきた。
「例の外出の件を恵美里に話したら
留守の面倒を見てくれると言ってくれてね」
「おばさんも気晴らしが必要だわ!
真佐子の事は任せて、今日は羽根を伸ばしてね」
先生に美味しいものをご馳走になればいいわ
恵美里はそう言って二人の外出を後押しした。
「いいのかしら?」
「家族にとやかく言われるよりは
親身になってくれる友人の方が
心を開いてくれるかもですよ」
そう言って佐智子を安心させると
さあ、早く行きましょうと
洋介は佐智子を助手席に座らせた。