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ふぞろいのザクロたち
第6章 真佐子の母

「ごめんなさいね…
こんなおばさんの相手をするのも疲れるでしょ?」

「そんなことはない!
それに僕は佐智子さんを
おばさんだなんて思っていませんから」

「まあ、お上手なんだから」

「お世辞でもなんでもありません!
佐智子さん…
あなたが好きになってしまったんです」

洋介は顔を佐智子に近づけた。
何をされるのか、
乙女でもない佐智子には察しがついた。

人妻なのに…
母親なのに…

でも、抗えない。
佐智子は目を瞑って洋介の気持ちに応えた。

波音が耳に心地いい。
潮風が肌に気持ちいい。
海は魔物ね…開放的になれるもの…

そっと洋介の唇が佐智子の唇に触れた。

こんな関係、あってはならないのに…

一度触れてしまうと歯止めが効かない。
佐智子から洋介を迎え入れるように
熱い口づけを交わした。

「キャー!あの二人、キスしてるぅ~!」

海岸を見下ろす国道から
中学生らしき女の子集団が
抱き合う洋介と佐智子を見て囃し立てた。

「ね…ここじゃ…いや…」

「場所を変えましょうか」

それが何を意味しているのか
大人の二人は「あ・うん」の呼吸で
次の寄り道はどこになるのかを知っていた。



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