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ふぞろいのザクロたち
第7章 犯人探し
あれは確か広がカメラマンとして
生計を立てたいと思い始めた18歳の頃だ。
画像全般に興味があった広は
写真だけではなく動画の勉強もやり始めた。
昼は飲食店のバイトをして、
夜は映像関係の専門学校の
夜間教育を受講していた。
いつものように
夜間の受講が終わり、
学校の門を出たところで一人の男に声をかけられた
「君、撮影に興味があるのかい?」
「そうですね、
出来れば将来的に、
そのような仕事がしたいと思っています」
まだ初々しい青年だった広は
屈託なく初対面の男にそう言った。
「学費もバカにならないんだろ?
どうだい、映像の勉強がてら
バイトをしてみないか?」
「バイト?」
「一人、撮影助手を探しているんだよ
バイト代は弾むよ、考えてみてくれ」
そう言って男は広に名刺を差し出した。
『○○企画
映像クリエーター 緑川武志』
名刺にはそのように書かれていた。
「○○企画?」
その社名は広も知っていた。
いや、性欲旺盛な男子ならばほとんど知っている。
新たに立ち上げたAVレーベルの会社だ。
「もしかして撮影って、AVですか?」
「ああ。AVと言ってもうちは健全な会社だから」
そのような現場には広も興味があったので
持ちかけられたバイトを引き受ける事にした。