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ふぞろいのザクロたち
第7章 犯人探し
「○○企画?緑川?」
記憶を思い出した広に教えられた名前に
恵美里は首をかしげた。
「ううん、違うわ
あの人、関川って名乗ったし…」
ほら、あの男がくれた名刺よ
そう言って恵美里は名刺を広に差し出した。
「ああ、ヤバイ仕事をしているんだから
これは偽名だろうね」
「じゃあ、○○企画に行けば
あの男に会えるのかしら?」
明日にでも訪問してみるわ…
恵美里は広に思い出してくれてありがとうと
礼を言った。
「君一人で行くつもりかい?
僕が一緒についていくよ」
翌日、二人は○○企画を訪問した。
どうせAVの制作会社だから
古ぼけた汚いビルに
事務所を構えているのだろうと思っていた恵美里は
その洗練されたお洒落なビルを見て驚いた。
「なに鳩が豆鉄砲を食らったような顔してんだよ」
驚いてポカンとした表情の恵美里を見て
京塚広は言った。
「だって…AVの会社だから…」
「反社の組事務所みたいなのを想像してた?
ここは一気に業績を伸ばして
今じゃ株式上場の立派な会社だよ」
広にそう言われて
恵美里は勝手にアダルトの事をいかがわしいと
そんなように思っていたことを恥じた。
受付けエントランスもお洒落で
まるで一流ホテルにでも来たのかと間違うほどだった。