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ふぞろいのザクロたち
第7章 犯人探し

「現場というのは仕事の場所だからね
みんな、いい作品にしようと必死なのさ
それに仕事である現場はプロの人たちにとっては
作品を仕上げて行く戦場みたいなものだし
兵士たちが戦場で勃起しまくる訳ないさ」
広は見習いのころ、
メイクの女性に教えられたことを
ニュアンスを変えてエミリーに力説した。
「じゃあ…現場ではなく
個人的にラブホで二人っきりになったら…勃つ?」
こりゃまたストレートな解釈だと思いながらも
「ああ、そうなれば絶対に勃起するさ」と
安易な気持ちで答えた。
「じゃあ、証拠を見せて」
「えっ?」
「このあと、部屋を変えて、
私の裸を見て勃起する事を証明して」
マジで?
それって…俺を誘ってる?
冗談交じりで広が答えると。
「うん、マジよ」
そう答えるエミリーの目は真剣そのものだった。
「はい、撤収~!」
監督の号令に
スタッフはマイクロバスに乗り込んで行く。
男たちは帰り支度も素早かった。
散々セックスを見せられたのだから
一刻も早く妻や彼女の元へ戻って
セックスがしたくてたまらないという感じだ。
「僕、この近くで友人と待ち合わせしてるんで」
「私も…ちょっと用事があって…」
そう言ってバスに乗り込まない口実を言うと
監督はニヤリと笑って
「この野郎、上手くやりやがったな
だけど決して孕ませるんじゃねえぞ
彼女は会社の商品なんだからな」と
広に念を押した。

