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ふぞろいのザクロたち
第7章 犯人探し
「やっぱり二人して現場に残るって言うのは
みんなにバレバレだったみたいだ」
みんなを乗せたマイクロバスを見送りながら
広はバツが悪そうに言った。
「いいじゃない、
仕事と恋愛の区別はちゃんとしないと」
「えっ?恋愛?」
「そうよ、私…あなたに惚れちゃった…」
そう言うとバスが見えなくなると
エミリーは広に抱きついてキスをしてきた。
「いや、俺、恋愛とかはまだ…」
まだまだ映像マンとしては駆け出しなのだから
恋愛などと言っている場合ではなかった。
「いいのよ、私の片想いでも…」
でも、今から過ごす時間だけは
私の彼氏でいてね
そう言って、まるで待てないと言うかのように
広の股間に手を伸ばしてきた。
「さっ、早く部屋に行こ」
エミリーはラブホのロビーに駆け出して
素早く部屋のタッチパネルを押した。
ルーム写真を見て吟味もしなかった。
まるでどの部屋でもいいから
早くセックスがしたいと飢えているようだった。
部屋に入ってエミリーのワンピースを脱がすと
撮影の時とは別の下着を身に付けていた。
「下着…変えたのかい?」
「そりゃあそうでしょ
だって撮影の時の下着は
衣装さんが用意してくれたものだから
返却しなきゃダメなのよ」
そうだったのか?
そんなことも知らなかった…
やっぱり俺はこの世界ではまだまだ駆け出しだなと
広は反省した。