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ふぞろいのザクロたち
第9章 告白
「よせよ、そんな変な顔で笑ってないだろ」
負けじと広も変顔を返してやった。
「うふふ…変な顔」
高校生らしく屈託のない笑顔…
たまらない
この子を自分のものにしたい…
酒の酔いが回ってきたのか
ついつい淫らな事ばかり考えてしまう。
「それにしても…
素敵なラブホだったわね」
恵美里は撮影に使われたホテルの
部屋を気に入っていた。
「あんな動画撮影じゃなく
彼氏と甘い時間をあの部屋で過ごしたかった?」
『俺と』とは言わないのね…
初めてマダムのエステ店で紹介されたとき
恵美里の事を全力で「彼女じゃない」と
否定されたことを思い出した。
こうして一緒にいる時間が長いのに
広は恵美里に指一本触れようとはしない。
『きっと広さんはエミリーさんのような
派手な女が好きなのね…』
「あ~!もう!!焦れったいわね!」
不意に背後からの大きな声に
広と恵美里は飛び上がった。
「お母さん!」
「信子さん!」
背後に立っていたのはマダム信子こと
広の母親だった。
「あなたたち、
お互いに気になる存在なんでしょ?」
それなら、さっさとやることをやって
体の相性を確かめ合いなさいよと
二人をけしかけた。