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ふぞろいのザクロたち
第2章 スカウト

「この子、大物女優になるかもしれないね」

さじを投げかけたカメラマンが
今度は思いっきり真佐子を誉めちぎった。

「だろ?俺の目に狂いはないさ」

ほら、こんな野暮なものは脱いじまおうか

関川に促されて
真佐子は躊躇いもなくスカートを脱いだ。

「ほら、まだ余計なものが体にくっついてるぞ」

「えっ?ショーツまで脱がないとダメですか?」

「君を次の映画のヒロインに抜擢したいんだよ
その映画のシーンで
全裸で絡み合う濡れ場もあるんだけど…」

『うソッ!映画デビュー出来るの?
ヒロインだなんて主役じゃない!』

脱ぎます!
演技のためなら全裸なんてへっちゃらです!

意を決して真佐子は狭い車内で全裸になった。

ショーツは丸めてバッグにし舞い込もうとしたが
それを関川は乱暴に奪い取った。

「あっ!やめてください!」

ショーツを返して!

真佐子は手を伸ばして関川の手から
ショーツを奪い返そうとしたが
関川は真佐子に背を向けてそれを阻止した。

「おや?ショーツの股間が濡れてるね?
こんなものを再びスターに履かせるわけにはいかないよ
これは買い取らせて貰います」

衣装代だ取っておきたまえ

関川は自分が脱ぎ捨てたスーツの
内ポケットに手を差し込んで
再び封筒を差し出した。

『そんな安物のショーツを
一万円で買い取ってもらえるなんて…』

真佐子は躊躇なく封筒を受け取り
関川の気が変わらないうちにと
イソイソとバッグに封筒をし舞い込んだ。


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