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ふぞろいのザクロたち
第2章 スカウト
車内にツーンと栗の花の香りが充満する
「おいおい…勘弁しろよ!」
カメラマンの男が堪えきれなくて窓を開けた。
熱気のこもった車内に
ひんやりとした外気が流れ込む。
「勘弁してほしいのはこっちだぜ!」
真佐子も関川も全裸なのだから
寒さに淫らなムードも吹き飛んでしまう。
「少し早いけど
スタジオに移動しようか」
風邪をひかせてはいけないと
関川は真佐子にジャケットを羽織らせた。
『私、大事にされてる?』
関川のフトした対応に
タレントとして大事にされているのだと
真佐子はますます有頂天になった。
「スタジオでのカメラテストは
少しハードなものになるけど
君なら乗り越えれるよね?」
「大丈夫です、がんばります!」
真佐子のその言葉に関川は満足そうに頷くと
運転手に向かって「例の場所に移動だ」と
運転席を後部座席から蹴り上げた。
「君はたいした女だよ
だってフェラチオシーンだけで
熟年の男を逝かせてしまったんだからね」
関川の言葉を受けて
ハンドルを握る運転手は「すいません」と
恐縮して運転しながら何度も頭を下げた。
「私の演技は上手でしたか?」
「ああ、今のところ合格点だ
あと、もう少し
濡れ場のカメラテストをさせてもらうよ」
頑張ります!と言いながら
真佐子は関川に抱きついた。