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ふぞろいのザクロたち
第2章 スカウト
真佐子が連れ込まれたのは
コテージタイプのラブホテルだった。
部屋に入ると空調のお陰で
快適な室温だった。
スタジオというからには
それなりのセットが
組まれている部屋を想像していただけに
真佐子は「ここで?」と怪訝そうな表情をした。
「俺たちとしては
まだ、あんたがモノになるかどうか
わからないから予算はそんなに組めないよ
それに、いざデビューとなったら
いろんなところでロケをするんだから
どんな場所でも愚痴らずに仕事が出来るかどうか
それを試しているんだよ」
関川はそう言いながら
真佐子に、さっき不安そうな表情をしたから
それはマイナス点だなと
冷たく言い放った。
「ごめんなさい!
どんな場所でもどんな役でも
一生懸命に頑張ります!!」
そう言うと、一緒に頑張っていきましょうと
関川は真佐子を優しくハグしてくれた。
そんな会話を続けている時も
運転手とカメラマンの男は
車からせっせと機材を運び込んだ。
機材といっても照明機器が一対と
三脚と、なにやら小道具が入っていると思われる
アタッシュケースだけだったが…
照明は一つをベッド側に向けて
もう一つをソファに向けてセットされた。