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ふぞろいのザクロたち
第4章 審査員長の高橋

『それにしてもレベルの低いコンテストだ』

出てくる女は、誰もがドングリの背比べだった。

「先生…どの子に投票されますか?」

隣の審査員が小声でお伺いを立ててきた。

「うむ…三番の女の子なんていいんじゃないか」

そう告げると隣の審査員は
また隣の審査員に「三番だってよ」と
伝言ゲームのように次から次へと
佐藤の意見を垂れ流した。

案の定、優勝したのは満場一致で
三番の牧野紗羅という女に決まった。


「先生!ありがとうございました~」

コンテストが終わると
牧野紗羅が所属する事務所社長が
満面の笑みで佐藤を見送ってくれた。

「先生、ささやかではありますが
ホテルで審査員の方々の
慰労会を催したいと思いますので
ぜひ、先生にもご出席を賜りとう存じます」

そう言って事務所社長は
人目を忍んで
例のセックスを暗示する指サインを送ってきた。

慰労会とは名ばかりの
ショボい立食パーティだったので
参加者は早々に帰宅の途についた。

「先生、お疲れになられましたでしょ
このホテルにお部屋を用意しておりますので
ぜひ、ご休憩を…」

事務所社長がさりげなく佐藤に
ルームキーを手渡した。

「いろいろとすまんねえ」

佐藤は急いで用意された部屋へ駆け込んだ。



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