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ふぞろいのザクロたち
第4章 審査員長の高橋
「君は商品だからね
これ以上傷つけたりはしないよ」
そう言って処女を散らすだけが目的だったように
射精もせずにそのままペニスを引き抜いた。
あれから何人の男と夜を共にしただろうか。
「君のことをよく知っておきたいから」と
担当になったマネージャーにも抱かれた。
CDデビューさせてあげるからと
訳のわからない作詞家にも作曲家にも抱かれた。
いろんな男が紗羅の体を抱いた。
まるで紗羅を抱くことが
彼らの仕事だと言わんばかりだった。
そんな中で
ただ一人、紗羅を抱かなかった男がいた。
男性雑誌のグラビア撮影のカメラマンだった男…
当然、撮影が終われば体を求めてくると思ったが
「君は僕にとって、単なる素材だから」そう言って
撮影が終わるとそそくさと帰ってしまった。
『いい男だったなあ…』
おかしなもので
紗羅が望む相手にはそっぽを向かれ
寝たくもない男どもにばかり抱かれた。
そんなことをぼんやりと思い出していると
さあ、シャワーを浴びるぞと
佐藤が紗羅の手を取って
引きずるように浴室に連れていかれた。
「さあさ、汗を流してあげよう」
佐藤の太い指が
ナメクジのように紗羅の体をはい回る。
「あん…」
気持ち悪いのに
この世界で生き残るためだと
紗羅は甘い声を漏らしてあげた。