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ふぞろいのザクロたち
第5章 マダム信子

男もベッドの中では
甘い言葉をマダムに投げ掛けていた。
そのうち、返済する余裕があるのに
わざとお金がないと言っては
男に抱かれるようになっていた。
歪んだ形ではあるけれど
マダムはそれを愛だと思っていた。
悲しくてマダムは泣き出しそうになった。
「そんなにセックスがしたいんなら
いいバイトを紹介しますよ
うまくいけば結構稼げますしね」
そう言って紹介されたのが
素人AV出演だった。
翌日、待ち合わせの場所に出かけると
不意に背後から声をかけられた。
「失礼ですけど、信子さんですか?」
「はい」
振り替えると体躯のいい男が
カメラマンとおぼしき貧弱な男を引き連れて
立っていた。
すでに撮影がスタートしているのか
貧弱なカメラマンは
信子の爪先から頭のてっぺんまで
舐めるように撮影してきた。
「早速ですが、
撮影現場のラブホへ行きましょうか」
乗り込んだ車の中で
信子は出演承諾書にサインをさせられた。
「今は法律が厳しくなりましてねえ
出演してもらえる熟女さんが少なくなって
こちらとしても困っていたんですよ」
これ、本日のギャラです
そう言って体躯のいい男は
分厚い封筒を信子に握らせた。
「僕が監督兼男優を務めさせていただきます
緒方と言います、どうぞ、よろしく」
アダルトというからには
反社のようなアウトローを想像していたが
以外と紳士的なのでマダムは拍子抜けした。

