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第5章 マダム信子

ラブホテルの一室に入ると
貧弱そうなカメラマンが照明のセッティングなどを
一人で黙々とこなした。

「まあ、堅くならずに
そこにお座り下さい」

マダムをソファに座らせると
監督兼男優の緒方も隣に座った。

ラブホのソファなので
どうしても体が密着してしまう。
早々におっぱいでも揉んでくるのかと思いきや
緒方は一枚のA4用紙を差し出した。

「それが今回の作品コンテです
どうぞ、目を通して下さい」

言われるまま用紙に目を落とすと
撮影シーンの流れが大雑把に書いてあった。

1.インタビュー
(あなたは既婚者という設定です
子供はいない、旦那とはセックスレスが長い)
2.玩具でのオナニー
3.入浴
(途中で男優も参加、フェラチオ)
4.ベッドイン
(クンニ&フェラチオ)
5.挿入
6.中だしフィニッシュ

「どうですか？何か問題点はありますか？」

「あの…中だしって…
ホントに出しちゃうんですか？」

「ええ。もしかして排卵日？」

「いえ…安全日ですけど…」

じゃあ、何も問題はないわけですね？
一応、精液が垂れてきたところでカットですから
すぐにバスルームで洗い流せば不快ではないと思いますので…

『どうしよう…
見ず知らずの男の精液を体で受け止めるなんて
出来るかしら…』

撮影されることよりも
中だしをされると聞いて
マダムはドキドキしてきた。