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濡花 ~義理の父親に堕とされていく若妻~
第22章 羞恥の海水浴
花怜はお店の前で卓司を待っていた。
いきなり人が目の前に立ち驚いて顔を上げる。
30前後だろうか、男が声をかけてきた。

「お姉さん…綺麗だね…どお?、俺達と一緒に遊ばない?…」

如何にもといったナンパだった。
花怜は無視して横をすり抜けようとする。
もう一人の男が立ちはだかるように行く手を阻み低い声で話しかけてくる。

「いいじゃないか…少し相手してくれよ…」

下心丸見えの台詞に嫌悪感が走り、その男を睨んだ。

「連れがいますのでけっこうです、退いてもらえませんか……」

毅然と拒絶しても男は怯まなかった。

「知ってるよ…ありゃ誰だ…あんなおじいちゃんと一緒にいて楽しいわけないだろ…。もしかしてパパ活でもしてるのか…」

バカにしたような態度に苛立ちが増してくる。
最初に声をかけてきた男が続いた。

「山田さん…ストレート過ぎますよ…。でもお姉さん、絶対俺達と遊んだ方が楽しいって…だから今のうちに消えちゃおうよ…」

【なに、この二人…妙に恐いのとチャラいのって…誰もついていくわけないじゃない…】

「パパ活……そんなわけないじゃないですか……放っておいてください…」

花怜はまた逃げようとした。
山田と呼ばれた男に手首を掴まれると、振り向き睨み付けながら…

「こんなことして、大きな声出しますよ…」

「花怜…どうした?…ナンパでもされてるのか…」

「お義父さんっ……」

戻ってきた義父の声に男は手を離す。

「お父さんだと…爺さん…あんたにゃ勿体ないと思ってな…」

山田は卓司に凄もうとしたが、対面した初老の男は思っていたよりもがたいがよく、何か凄味を感じる威圧感があった。

花怜はすぐに卓司の後ろに隠れ、背中に手を添えた。

「せっかくの父娘水入らずのデートなんだ…邪魔しないでくれるかな…」

穏やかな口調なのに、野太い低い声だった。

「ちっ、行くぞ…」

山田は気後れしたことを誤魔化すように舌打ちをして立ち去っていく。
小林もすぐに山田の後を追っていった。

「お義父さん…ありがとうございます…」

「いや、私のほうこそ一人にしてすまなかったな…」

花怜はちょっと義父のことをかっこいいなと思った。

「じゃあ、少し歩くけど行こうか…向こうに穴場があるんだよ…」

「はい…」

義父ついていくと、賑わうビーチからどんどん離れていった。
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