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濡花 ~義理の父親に堕とされていく若妻~
第2章 炬燵痴漢
良子は居間から続くキッチンでお茶を淹れている。
卓司は壁際でコートを脱いだ花怜を見つめながら掘炬燵に腰を下ろした。

「花怜さん、暖かいよ…早くこっちにおいで…」

卓司の言葉に花怜は笑顔で頷き、義父の隣に腰を下ろして炬燵布団の中に脚を下ろしていく。
ほんとに仲のいい義理の父娘なのだ。
結婚以来良くしてくれる義両親に心を許し、とりわけ義父の花怜への溺愛ぶりは良子も息子の孝一も認めるものだった。
そして花怜も嫌がるどころか、実の父親よりも優しく接してくれる卓司に懐き、食卓に着くのもいつの間にか卓司の隣が定位置となっていた。

「お茶が淹りましたよ…。花怜さんのお土産のお菓子、美味しそうだから早速頂くわね…」

「おお、やっぱり都会のお菓子はハイカラだね…」

「やだ、お義父さん…ハイカラだなんて…。でもすごく人気のお菓子なんですよ…」

すぐに打ち解け合う義理の親子…。それでも母親は実の息子がここにいないのを寂しく思い口を開く…。

「孝一は相変わらず忙しいみたいね…」

「ええ、休日も返上して頑張ってます…忙しいのはいいことなんでしょうけど、身体のことは心配で…今回実家にも一緒に来れるよう頑張っていたんですけどね…」

「そう…それは心配ね…。そんなに忙しいなら初孫はまだ先になりそうね…」

良子は孝一を心配するのと同時に、一人息子の子供の顔が早く見たいと願っていた。
花怜も子供好きだし、それを見据えてマンションだって購入したのだ。
自身の寂しさと同時に義父母にも申し訳ないと想ってしまう。
少し重たい雰囲気に卓司が助け船を出した。

「まぁ、孝一の出世は異例の早さなんだろ…。忙しいのはいいことじゃないか…。それに授かる時は授かるものだよ…。二人ともまだ若いんだから、焦ることなんてないよ…」

「そうね、お父さん…たまにはいいこと言うわね…。こうして花怜さんだけでも帰って来てくれて、ほんとに嬉しいのよ…」

花怜は義父の言葉に救われる想いがした。
罪悪感を感じることではないのだが、やはりこの大好きな義理の両親を喜ばしてあげたいと思っているのは間違いなかった。
掘炬燵の布団の中で左隣に座る卓司の右手が時折スカート越しの太腿に当たってくるのは偶然なのだろうと思っていた。

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