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濡花 ~義理の父親に堕とされていく若妻~
第29章 密会 ~序章~
せわしないピストン。
決して欲しいところに届いてはくれない。
愛液が飛び散るわけでもない。
恥骨は乱暴にぶつかり痛いだけだった。

【もう…逝くんだ……】

顔の上で呼吸を荒げる夫と温度差を感じる。
冷静にそれを見つめる妻の息が乱れていないことすら気づかない。

「あぁっ…出すぞっ…花怜っ…うわっ…」

【出てる……終わった……】

「くそっ…今日も後ろからしたかったんだけどな…久しぶり過ぎて出ちゃったよ…。でもたくさん出たからな…これで子供できるんじゃないか…」

「…うん……だといいね……私……シャワーしてくる……」

ティッシュで押さえながら寝室を出た。

【ほんとに…奇跡もでいいからあなたの子供が欲しい……】

シャワーから戻ると夫は寝ていた。
もの足らない感覚が身体に燻り続ける。

【夜中に私がいなかったらあなたはどう思うの?……】

隣の鍵はきっと開いたままだろう。
黒木からのメッセージを読み返してみる。
花怜はそっとベッドから抜け出していく。
廊下から玄関をじっと見つめると、キッチンへと向かった。
冷たい水を飲んでも疼きを静めることはできなかった。

【こんな格好で行けるはずないじゃないの……】

玄関を見ないようにして寝室へと戻っていった。


黒木は妻の用意してくれていた夕食を取り、テレビで野球中継を見ながらビールを飲み…何度もスマホを覗き込んでいた。

【さすがに久しぶりに旦那と過ごすんだ…仕方ないかな…】

それにあんな妻がいて、いくら淡白な旦那でもさすがに今夜は抱くだろう。
花怜にしても拒むことなどできやしない。
それならそれで明日は更に燃え上がりそうだとほくそ笑んでいた。

そんなことを考えながら一人の夜を過ごしていった。
来るはずはないと思っていても、ずっと肉棒は滾りっ放しだった。

シャワーを浴びてベッドに入る前にもう一度スマホを確認した。
メッセージが入っていて驚いたが、すぐに娘からだと解った。
娘へのエールを返信すると、諦めるように目を閉じた。

翌朝目を覚ますとまたスマホを確認する。
やはり花怜からのメッセージはなかった。
約束は15時にここに来ることになっている。
隣の部屋を出る時に連絡するように伝えてある。

「さて、準備をして待つとするか…」

【まだまだ焦らされそうだな…】

黒木はベッドから降りるとすぐにシーツを剥いだ。
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