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濡花 ~義理の父親に堕とされていく若妻~
第4章 章間①
花怜はもう一度鏡を見つめ笑顔を作った。
義母を出迎える為、廊下へ出て玄関へと向かう。

「お帰りなさい、お義母さん…」

「遅くなってごめんね…なかなかいい魚がなくて魚屋さんも回っていたの…少しはゆっくりできた?…」

花怜は頷き、両手に抱えた買い物袋をひとつ受け取り義母に続いて歩く。

花怜は動揺していた。
乱れた座布団…山のようになっていた濡れたティッシュ…あんな居間を見られたら…

義母が襖を開けると花怜は俯き目を瞑った。

「ただいま、お父さん…」

「あぁ、お帰り…遅かったな…」

夫婦が言葉を交わす。
花怜は恐る恐る目を開いた。

炬燵布団にも座布団にも乱れはなく義父は定位置に座ってテレビを見ている。
ティッシュの山どころか…炬燵の上にあった湯呑みや茶菓子の皿もキッチンに下げられていた。
花怜は胸を撫で下ろすような気持ちだった。

花怜と卓司の間に起こったことなど何一つ気づく様子もない義母に胸が痛むが、
それでも絶対にばれることは許されなかった。

それから花怜はずっと良子の傍を離れなかった。
手伝うと言い張り、一緒に夕食の仕度をしていった。
浴びせられた義父の精液の匂いがばれないか…
違う下着を着ける隙もなく、ずっとノーパンでいることの羞恥心に堪えながらも
変わらぬ義母の優しさと笑顔に、
改めてこの家族を壊すわけにはいかないと感じていた。


夕食の仕度が整うと掘炬燵の上に料理が並べられていく。
何も知らない義母は当たり前のように花怜と卓司の茶碗を隣に並べた。
花怜は義父の隣に座りたくないと思っても避ける理由が思いつかず、そのまま義父の隣に腰を下ろした。

義母の手料理はやはり美味しく、話好きな義母のおかげで夕食は楽しい雰囲気で進んでいった。
晩酌をと言っていた義父も嬉しげにお酒を嗜み…花怜にも勧めてくる。
いつまた義父の手が伸びるかもしれない…そう思いながらも少しはとお酒の相手をしていった。
意外にも義父はいつもの優しい義父のままだった。
必要以上にお酒を無理強いすることもなく、義母と花怜の会話を穏やかな表情で聞き、時折相槌を打つ。
花怜の好きな義理の親子の姿がそこにはあった。

義母と一緒に後片づけを済ませる。

義父がお風呂にと声を掛けてきて…

「じゃあ、いただきますね…」

早く身体を洗いたい花怜は頭を下げてお風呂へと向かっていく。




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