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 縄師-Ⅲ 小父とM女。
第3章  芳恵
 芳恵が再び工房に来たのはそれから3ヶ月ぐらいしてからだ。

 離婚が成立したので、改めて刺青を入れたいと言う。

「では先ず、皮膚の健康状態を見ましょうか」

 何の疑問も感じていない芳恵は、そういうものだと信じ切って「はい」と返事をして着物を脱いだ。

 俺は指先から首、肩、背中、臀部から内股、腿、脹ら脛、足裏に至るまでの皮膚を撫で、肉を揉みほぐす。
 一度も陽にあたったことの無いような、真っ白な肌は手のひらに吸い付くようなヌメリを感じる。もち肌ってやつだ。

 腋などの側面は爪を軽く沿わし、「ああっ」と身体を震えさせる。
 肩や腰、臀部、大腿筋など筋肉は力を込めて揉みほぐし痛く気持ちよくさせる。
 特に大腿部、鼠径部、腋窩などは痛みを与え、我慢させることで俺の手の侵入を既成の事して受け入れるようになる。

「素晴らしい皮膚と身体だね」

 俺は激賞した。

「普段から、よく手入れしている。ただ2カ所、筋肉が張ってるけどね」と告げて、肩と腰を指圧した。「ほらここ」

「あ……ッ気持ちが良い」
 芳恵が目を細めて吐息する。

「今すぐどうって事は無いのだけど、針を我慢したとき凝りは筋肉痛に直結するからね。先々のことを考えると治療をした方が良い。私は鍼灸師の資格を持っているので、先に鍼を打たせて貰えるといいのだけど……」

 芳恵は、「お任せしますからなさりたいようになさって下さい」という。

 俺は思わず吹き出した。

「奥さん。この状態でその言葉は危険ですよ。特にこの工房は女性を変えるという噂がある、胡散臭い工房ですからね」

「あら。どう胡散臭くて危険なのですか? それに私『奥さん』ではなくなりましたし、変えられるものなら変えていただきたいわ」

 俺はそれには答えず、芳恵の肩に鍼を打ち、神経を刺激して緊縮した肩の筋肉を伸ばした。
 腰の筋肉には太めの鍼を入れて直接ほぐす。

所謂『凝る』という状態は筋肉が縮み、或いは縮もうとする状態が継続する事で生じる筋肉疲労だ。その痛覚と疲労感を神経が脳に伝える事で発生する。だからストレッチやマッサージは筋肉を伸ばす方向に作用させれば効果が高い。

 俺が芳恵の腰に差し込んだ鍼は、周辺をピクピクと痙攣させて芳恵に歓喜の声をあげさせた。

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