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 縄師-Ⅲ 小父とM女。
第4章  拷問
 低周波治療器の一つの出力を乳首から乳首へ。

 もう一つの出力は、金属棒の電極を膣に入れ、ギザギザのないクリップでクリを挟む。
 これが師のやり方だ。
 
 これで主要な性感部位を内側から刺激できる。

 通電している間中、芳恵は再び絶頂が繰り返される逝き地獄に見舞われて、汗と涙と唾液でベタベタの顔に髪がへばりついて凄絶な表情だ。

「もう、もう許してください。お願いです」
 ようやくいっきに叫ぶように言うと、再び声を途切らせながら「いくッ……たす……てっ」とまた絶頂を繰り返す。

 どこまでいったら開放されるという目安もなく、永遠に続くかと思える恐怖が芳恵の脳髄を凍らせる。

 性感は慣れて感じられなくなることもない。むしろその逆で、皮膚の表面を削がれたように、益々敏感になるのだ。
 
 不感症と言っていた芳恵はもうどこにもいなくなった。

 三角木馬と電気による乳房責めから五日ほど過ぎた日。
 俺は芳恵に刺青の再会を告げた。

 芳恵はストレッチ、ヨガなどで体力を鍛えていたので耐性は十分出来たと判断した。

「提案がある。今後の刺青だが、白蛇の首を臍から恥骨に向けてぼかし、刺青はそれで終わらそうと思うがどうだ」 

元々が芳恵の刺青は、痛みに潜む被虐と快楽の感性を得るための手段としての要素が強く、それを考慮しての特殊な刺青だ。

 絶頂を知り自分から拷問を要求して被虐の世界に入る術を覚えた芳恵には、刺青そのものの目的が変わってきている。
 刺青の絵柄が普段から必要なわけではない。

「では、私にはもう針を打たないということですか」

 不満そうなその言葉で俺は芳恵が針の痛みを被虐のアイテムとして欲するようになったことを知った。

「そうではなくて色を入れないということだ。鍼と併用すれば苦痛と快楽は空でも味わえる。というか、墨を入れないからこそ何度でも針を打つことができる。それを踏まえてお前の考えを訊きたい」

「私は、私を虐めてこのあとも針を打って頂けるのなら、あなたが私のことを考えて出された意見ですからあなたに従います」

「わかった」
 俺は芳恵を抱きしめ、優しくキスをした。
 

 
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