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 縄師-Ⅲ 小父とM女。
第2章   彫り師、幽齋(ゆうさい) 
 俺が弟子になって最初に叩き込まれたのは施術台の使い方と女の縛り方だった。

 油圧で上下する施術台は、四隅に革紐の付いた金属の輪がつけられているので、どう使うかは一目瞭然ってやつだ。

 他にドラム缶のように巻いた体育マットがあるが、これは抱いたり背負ったりさせると肌が張って筋入れの位置が明瞭になる。

縛り方だが、後手に縛るといっても色々とあり、そのバリエーションの違いは交差する手首の位置で変化する。

 だがまあこれは細かく説明する必要はないだろう。
 
 刺青とはあまり関係の無い縛り方に、あぐら縛りや駿河問というのがある。

 これを習ったとき、どんなときに使うのか訊いた俺に、師は「その女の苦しむ顔が見たいときだ」と笑いもせずにクレーンを動かした。

 俺は師の目配せ一つで縛り方を選び、縄を解き、身体を開き抑え、また縛る。その繰り返しの中でようやく師の世界を理解し、身に付けるものがあった。

 
 エクスタシーとは感覚だ。

 経験したこと。或いは強い想像力によって脳内ホルモンが分泌され神経に作用する。
 或いは触感が脳を刺激して、人の絶頂を自分の事のように意識する。
 
 意識としてのエクスタシーが性感を高め、身体に与えられる感覚や刺激が重なり絶頂感を高めて、やがて頂点を突き抜ける……。

 師は自らを、刺青の彫り師ではないと言った。

「俺は入れ墨を覚えたタダの変態だ。だから変態に付き合える女しか相手にしねえんだよ」

 師は、自らの世界を持たない女性を、自分の世界に引きずり込む。

「お前は針が好きで堪らなくなった。それで俺に刺されたくなってここに来たんだ。そうだろう」

 服を脱がし、腕を背中にねじ上げながら耳許で囁く。
 
 或いは、
「お前はわしにさらわれたんだ。さらってきたお前に一生取れない俺の印を付けてやる」
 そう言って裸にした女性を、駿河問のように反り返らさせて吊り、苦痛を与える。

 女達はそのときすでに犯される自分を思い浮かべて喜悦の声を出し、エクスタシーの虜になって愛液を滲ませる。
「嬉しそうな顔をするな。もっと怯えるんだろ」
 ベルトを鞭にして打ち据える。
 女の悲鳴でようやく師は針を取り、俺は急ぎ皮膚を消毒する。
女性しか客にしないのはそういう訳だ。
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