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僕の奴隷ちゃん
第10章 歪み
私の好きは、きっとお兄ちゃんには響かない。


初恋も初体験も、親の非道徳で無残にも引き裂かれたと、何度手で涙を拭っても止まらない涙が逢里の心の傷に比例していた。



その頃、要は逢里の最後の告白に口を抑えて泣いていた。


嬉しさと、罪の意識が大きくのしかかっていたのだ。



『俺も』と言えなかったのは、逢里が余りにも悲しそうに言ったから、言葉の意味にを考えながら動揺したのだ。それと同時に、自分がした仕打ちを振り返っていた。


知らずにいれば、逢里は純粋に自分を好きだと言ってくれただろう。なのに、自分の気持ちも伝えずに、自分のものにしたくて一方的に傷つけたんだ。

それでも『好き』と言うには、どれほどの勇気が必要だっただろうか。


思えば思う程、愛しくて。
それ以上に、罪悪感に苦しくなる。
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