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「S」と「M」の日々
第4章 悠の劣情

みぃ子が見知らぬ男と歩いていた。
男は自分と同じくらいの年齢だろう。
みぃ子から聞いた話だとKとかいう奴は年配のおじさんらしいので、今みぃ子と一緒にいるのはそいつではない男だということになる。
僕は二人の背中を眺めていることしかできなくて…気がついたら家に戻ってきていた。
奴は僕より背が高くすらりと長い足をしていた。
見るからにイケメンなオーラがぷんぷんしていた。
僕は身長も低ければイケメンとは程遠い可愛い弟系な男子だとクラスの女子達に言われていた。
クラスの男子たちにはお前にみぃ子は釣り合わないと何度からかわれたことか。
そのたびに僕の胸は押しつぶされそうな何とも言い難い痛みを感じながら「ヒガミ乙w」とか強がって見せた。
僕はみぃ子がそれを知っていると思っていた。
僕の心の隅々までを見透かしてくれていると思い込んでいた。
僕はなんて愚かなんだろう。
みぃ子はこんな僕を見放したんだ。
みぃ子なら分かってくれてるなんて都合の良いことしか考えない単純な僕に嫌気がさしてしまったんだ。
そう思えば思うほどふつふつと何ともいえない黒くてドロドロした何かで胸がいっぱいになった。

