この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
欲灯
第2章 奴隷女
「ほら、ご主人様の言う事、ちゃんと聞きなさい。・・・・・・あれ?」
胸ポケットをゴソゴソと探る堀井。
「あちゃあ、『火』失くしたわ。・・・・・・持ってない、よな」
「はい、タバコは吸わないんで。持ってな・・・・・・あっ」
何かを思い出し、目を見開く莉奈。
慌てて自分のバッグを探り出す。
「・・・・・・ありました」
堀井に渡したそのライターには白の林檎と黒の林檎が彫られていた。
「なんだ、持ってんじゃん。へえ、吸わないのに、ジッポねえ」
訝しげな表情を向ける堀井は、物珍しそうにライターを眺め、『キン』という音を立て、手慣れた仕草で火を灯した。
「あ、さっきの啓・・・・・・男の人の・・・・・・」
「ん?盗んだの?」
「いえ、借りたままで、忘れてそのまま・・・・・・」
「へえ。林檎のジッポねえ」
「はい。『禁断の林檎』だそうです」
「『禁断の』、ねえ」
深く吸い込み、真っ白な煙をゆらゆらと吐き出す。
「どうしよ・・・・・・」
「貰っちゃえばいいんだよ」
「でも・・・・・・」
「いいじゃないの。あ、じゃあ、莉奈が連れてきた男の子にプレゼントしよう」
鼻から煙を吐きながらニヤつく。
「そんな・・・・・・」
「おまえなら出来るだろ?良い子なんだから」
諭しながら莉奈の頬を優しく撫でる。
その手がタバコ臭くて莉奈は眉間にシワを寄せた。
「莉奈、俺はな、おまえと再会出来て本当に嬉しいんだよ」
「・・・・・・はい」
「あの頃、バレンタインには三年間、毎年チョコとラブレター。誕生日まで覚えててくれたのなんて、生徒の中ではおまえだけだったよ。嬉しかったんだ」
「・・・・・・はい」
莉奈の潤んだ瞳に光が戻ってきた。
胸ポケットをゴソゴソと探る堀井。
「あちゃあ、『火』失くしたわ。・・・・・・持ってない、よな」
「はい、タバコは吸わないんで。持ってな・・・・・・あっ」
何かを思い出し、目を見開く莉奈。
慌てて自分のバッグを探り出す。
「・・・・・・ありました」
堀井に渡したそのライターには白の林檎と黒の林檎が彫られていた。
「なんだ、持ってんじゃん。へえ、吸わないのに、ジッポねえ」
訝しげな表情を向ける堀井は、物珍しそうにライターを眺め、『キン』という音を立て、手慣れた仕草で火を灯した。
「あ、さっきの啓・・・・・・男の人の・・・・・・」
「ん?盗んだの?」
「いえ、借りたままで、忘れてそのまま・・・・・・」
「へえ。林檎のジッポねえ」
「はい。『禁断の林檎』だそうです」
「『禁断の』、ねえ」
深く吸い込み、真っ白な煙をゆらゆらと吐き出す。
「どうしよ・・・・・・」
「貰っちゃえばいいんだよ」
「でも・・・・・・」
「いいじゃないの。あ、じゃあ、莉奈が連れてきた男の子にプレゼントしよう」
鼻から煙を吐きながらニヤつく。
「そんな・・・・・・」
「おまえなら出来るだろ?良い子なんだから」
諭しながら莉奈の頬を優しく撫でる。
その手がタバコ臭くて莉奈は眉間にシワを寄せた。
「莉奈、俺はな、おまえと再会出来て本当に嬉しいんだよ」
「・・・・・・はい」
「あの頃、バレンタインには三年間、毎年チョコとラブレター。誕生日まで覚えててくれたのなんて、生徒の中ではおまえだけだったよ。嬉しかったんだ」
「・・・・・・はい」
莉奈の潤んだ瞳に光が戻ってきた。