この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
欲灯
第1章 浮気男
「あ、カラオケとか」

ようやく見せたその子の笑顔に『海辺のモデル美女』と勝手に心の中であだ名を付けた啓介は、「え、俺と?」と、つい綻んでしまう顔を堪えながら返した。

「あ、はい。すぐそこの・・・・・・」

自分の背中、彼女の指を指した方向に振り向くとカラオケボックスの看板が、昼の明かりにも負けずに雨を弾きながらネオンを光らせていた。

(ああ・・・・・・そういう事か)

冷静さを取り戻した啓介は、目の前の『海辺のモデル美女』の正体を疑い始めた。

(恐らく、ひとりで暇そうに歩いている男に逆ナンを装い声を掛け、カラオケボックスという名の『自分の職場』に誘い込む作戦だな。そりゃそうだろう、こんなモデル風のミニスカ姉ちゃんが、ちょこっと目が合ったくらいで逆ナンなんてしないだろうに)

「あの……」

彼女の声と目線に気付き周りを見回すと、雨宿りしているサラリーマン二人や、後から来た女性グループたちが訝し気な表情でこちらを見ていた。

「あ……そうだね、取り敢えず行きましょう!」

周りの、二人の言動を何事かと怪しむ視線から逃げたくなり、啓介は慌てて『海辺のモデル美女』をエスコートするように、雨の中に飛び込んだ。


 


「あの、別にカラオケじゃなくても、私はいいんですけど……」


3階にカラオケボックスのある駅の向かいのビルに入ると、雨をはらいながら申し訳なさそうに言った。

「いや、せっかくですから。俺も一服したかったし」

「そうですか。突然すみませんでした」

「いえいえ。ここの3階ですよね」

啓介がエレベーターのボタンを押し、すぐに口を開けた箱の中にふたりは入っていった。
/100ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ