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欲灯
第4章 淫乱女
<赤井が今からウチに来るらしいから、悪いけど俺の部屋に通しといて>

(また突然だなぁ、まぁいつもだけど・・・・・・。せめてパンツくらい穿いておこ)

ミクと別れた帰宅途中、兄からのメールに目を通した歩美は少しだけ心を躍らせながら、自宅へと足早になった。

(赤井さん、またわざとお兄ちゃんの留守を狙って。ま、今日はムラムラしてたし、ね。)



自宅に近付くと、玄関先に人影が見えた。



「おろ、歩美ちゃん、おかえりぃ」



(え、もう来てたか・・・・・・)



「あ、赤井さん、どうもこんにちは」

兄の同級生と言えどもこの赤井という男は、謎の多い男だった。

まず平日の夕方にはこうしてプラプラ出来ているということ。

兄は営業職なため、帰宅がいつも早くて七時、遅いと午前様になることもしばしば。

もしかすると赤井さんは平日休みの仕事なのかもしれない、笑顔が爽やかだから・・・・・・接客業とか。

でも、坊主頭を伸ばしたような金髪頭で、果たしてどこが雇ってくれるというのだろう。

警備員とか似合いそう・・・・・・。

赤井の柔道家を思わせるような大きな体を見て、歩美は制服姿の赤井を想像した。



「歩美ちゃん久しぶりぃ、二週間ぶりぃ。お兄ちゃん、まだ帰宅してないよね?」



(わかってるくせに)



赤井はいつも当然だが「兄と遊ぶ」という表の設定で家に来る。

でも「歩美を抱きに来る」というのが、本当の目的だった。



歩美は中学生の時に、当時付き合っていた彼氏に処女を捧げた。

二人目の彼氏は二歳上の男。

高校に入学し、瑞樹の紹介で知り合った同い年の他校の男とは、初めてセックスだけの関係になった。

それから、「そういう遊び」を数回繰り返し、半年前に別れた三人目の彼氏以降は、この赤井とセックスを繰り返した。

やや太った体、ヘラヘラした喋り方、半端な金髪坊主、どれを取っても歩美の好みには当てはまらなかった。

でも関係を続けてしまうのは、24歳という、歩美にとっては「大人の世界」だからか、単に赤井のセックスにおける「癖」に合うのか、失恋を紛らわせる為の「道具」なのか・・・・・・、おそらくこれら全てが当てはまるが、ここ最近の堀井との『お遊び』のせいで、悶々とした思いの歩美にとっては、良いハケ口となっていた。



「はい、まだ帰ってないですよ」

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