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欲灯
第5章 不倫男
最初に出会った男性は愚痴も聞いてくれず、奈美が聞き役となった。

そしてすぐに体を求めてきたので、やんわりと断った。

次に出会った男性が、『ロビン』と名乗る青柳だった。

細身でメガネ、七三も甘い香りも、奈美の好みだった。

その時奈美もナナと名乗り、以来ふたりは『ロビン』『ナナ』と呼び合っている為、本名も正確な年齢もわかっていない。

若いくせに黙って愚痴を聞いてくれる。

結局、奈美も性欲を溜め込んでいたんだと自覚したのは、青柳との2回目のデートで、奈美からホテルに誘ってしまったからだ。

週に1回、ホテルで2時間の逢瀬。それが出会って2ヶ月の二人のパターンだった。

ただ、フリーターの青柳も主婦の奈美も、週1のホテル通いには金銭面で限界があった。

その為、二人は奈美の車でデートするというパターンに変更し、それを今も続けている。

二人の愛の営みは何時もここ、ファミレスの駐車場。

お客さんが出入りする様子を後部席で窺いながら、セックスをしている。

青柳曰く「河川敷とかさ、夜の公園の駐車場とかさ、逆に目立つでしょ? だからこういうファミレスの駐車場とかって、盲点じゃない?」とのこと。





・・・・・・唇を離し、二人は辺りを気にしながら靴を脱いでシートに上がり、運転席と助手席の間をすり抜けて後部席へ、一瞬にして移動した。

そしてまた、二人はキスをした。

40歳を超えてから肉付きの良くなった奈美。

その唇も、やはりモッチリと弾力が付いてきていた。

唇を吸い、ゆらりと開いた口内へ青柳の舌がゆっくりと入っていく。

黒々と光る艶やかな、お風呂上がりのセミロングの髪からは、フルーティな香りが漂う。

その香りを鼻腔に深く吸い込み、青柳のペニスは静かに反応し始めた。
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