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欲灯
第1章 浮気男
気を落ち着かせた啓介が部屋に戻ると、莉奈は俯いたまま座っていた。
「はいコーラ、お待ち」
向かいに座り、啓介は自身の胸の鼓動を感じながら、莉奈の様子を見る。
「あ、ありがとうございます」
礼を言うとまたすぐに俯く。
先程よりも、よそよそしい佇まいの莉奈。
「何か、歌います?……あ、俺が歌いましょうか?」
詰まった空気に耐え切れずに、啓介が曲目の載った分厚い本に手を掛けると、
突然、向かいに座る莉奈の手が重なってきた。
「ん?」
一瞬の事に驚きを隠せない啓介は、莉奈を凝視した。
「ど、どうした?」
潤んだ瞳を向けてくる莉奈に、啓介は動揺を隠せないでいた。
「お願いがあるんです……」
哀願する莉奈を見て、啓介はその先の言葉を予想した。
(「さっき見た事、忘れてください!誰にも言わないでください!」って感じか?)
(いや、やはりこの店の関係者で、「見せた分、高価な食べ物頼んでください」とか?)
(いやいや、ひょっとしたら、家出娘か?……でも、OLって言ってたしな)
(やはり、金銭の要求かな……。凄い商売だな……)
(待てよ!……純粋に、スケベな子っていう、ラッキーなパターンもあるぞ)
「はい、何でし・・・・・・」
「私を犯してください」
「……ん?……はい?」
(速くて聞き取りづらかったけど……セックスのお誘い、ですよね)
「いや、いきなり会って、いきなりこういうのって、私もおかしいですよね。なんか、すみません……」
(この子、俺の手の上に自分の手とか重ねて……突然何を言い出すかと思えば……)
「あ、えっと……何かあったんすか?」
「いや、まぁ……言いづらいんですけど……」
と、莉奈は啓介の重ねていた手を離した。
「……はい」
状況を全く飲み込めていない啓介。
「えっと……命令なんです」
「・・・・・・命令??」
「……はい」
「命令って、誰の?」
「……ご主人様です」
「はいコーラ、お待ち」
向かいに座り、啓介は自身の胸の鼓動を感じながら、莉奈の様子を見る。
「あ、ありがとうございます」
礼を言うとまたすぐに俯く。
先程よりも、よそよそしい佇まいの莉奈。
「何か、歌います?……あ、俺が歌いましょうか?」
詰まった空気に耐え切れずに、啓介が曲目の載った分厚い本に手を掛けると、
突然、向かいに座る莉奈の手が重なってきた。
「ん?」
一瞬の事に驚きを隠せない啓介は、莉奈を凝視した。
「ど、どうした?」
潤んだ瞳を向けてくる莉奈に、啓介は動揺を隠せないでいた。
「お願いがあるんです……」
哀願する莉奈を見て、啓介はその先の言葉を予想した。
(「さっき見た事、忘れてください!誰にも言わないでください!」って感じか?)
(いや、やはりこの店の関係者で、「見せた分、高価な食べ物頼んでください」とか?)
(いやいや、ひょっとしたら、家出娘か?……でも、OLって言ってたしな)
(やはり、金銭の要求かな……。凄い商売だな……)
(待てよ!……純粋に、スケベな子っていう、ラッキーなパターンもあるぞ)
「はい、何でし・・・・・・」
「私を犯してください」
「……ん?……はい?」
(速くて聞き取りづらかったけど……セックスのお誘い、ですよね)
「いや、いきなり会って、いきなりこういうのって、私もおかしいですよね。なんか、すみません……」
(この子、俺の手の上に自分の手とか重ねて……突然何を言い出すかと思えば……)
「あ、えっと……何かあったんすか?」
「いや、まぁ……言いづらいんですけど……」
と、莉奈は啓介の重ねていた手を離した。
「……はい」
状況を全く飲み込めていない啓介。
「えっと……命令なんです」
「・・・・・・命令??」
「……はい」
「命令って、誰の?」
「……ご主人様です」