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アブノーマルな魔界 ~永久快楽とリョナ娘~
第1章 魔法使いの末路 ~淫らなる欲に濡れた世界~
… … …

どれほど歩いたか。
森の中を延々と歩き、少し疲れを感じて休もうかと考えた時だった。

「…………」

何かの気配を感じて、歩きを止めた。
周囲を見渡しても、見えるのは鬱蒼と茂った木々と、足元に生える草。
聞こえるのは、風で葉が擦れる音。遠くで鳴く、魔界の鳥。
視覚と聴覚では感じ取れないが、明らかに肌身に感じている違和感。
見られているような、視線。

「……誰?」

声を張ってみるが、森に吸い込まれて消えてしまう。
全身を舐められているような気持ち悪さに、フィリアは術の詠唱を始める。
フィリアの周囲に、握り拳ほどの大きさの光の球が30個ほど浮かび上がる。

「――――……さぁ、コレをくらいたくないなら早く出てきなさい」

……クスクス

「っ!」

背後から聞こえた笑い声に、弾かれたようにそちらを向いた。
カサ、カサ、と草を踏み締めて歩いてくる音がする。
人の足音のようだが、ここは魔界だ。恐らく人狼やオーガ等、人の形をした魔物だろう。
そう思って、体を屈めて臨戦態勢になった。

「誰なの……」
「そう警戒するな」

明確な言葉を話す、男の声。

「えっ…?」

僅かに気が緩んだが、まだ魔法は保ったまま。
相手の姿が、現れた。

「我が魔力に満ちた森に、『異物』が現れたと思って来てみれば……人間とはな」

白銀に輝く長い髪。切れ長の目。透き通るような肌。
黒いマントを身に付けた男は、フィリアを見てどことなく嘲るように笑った。
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