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アブノーマルな魔界 ~永久快楽とリョナ娘~
第1章 魔法使いの末路 ~淫らなる欲に濡れた世界~
「私…は…フィリア」

名乗る気はないが、彼に気圧されて震える声で口にしてしまった

「ほぅ、フィリアというのか。良い名だ」

褒められて嬉しいはずだが、そんな気持ちは微塵も感じなかった。
彼の魔力に、彼自身に、ただ怯えていた。

「では、これも今一度問おう。その魔力をどうするつもりだ?」
「……」

フィリアの前には、まるで盾のように光の球が浮かんだままだ。
それを指差して、ジルヴェラスは尋ねた。

「私に差し向けるか? 良かろう、ならば浴びせるがよい」
「なっ…!」

予想外の答えに、フィリアは狼狽えた。

「元から私にくらわせるつもりで作り出したのだろう? それを甘んじて受け入れようというのだ。お前も嬉しかろう?」

クスクス、と笑うジルヴェラス。
完全にフィリアを格下扱いしていた。

「……本気、なの?」
「無論だ。さぁ」

両手を広げて、無抵抗の意思を示す。
いくら魔力の強さが段違いでも、ここまで馬鹿にされるとフィリアも気分が悪い。

「なら、覚悟なさい!」

その声と同時に、光の球はジルヴェラスの周囲をぐるりと取り巻いた。死角も皆無だ。

「ふふ……」

余裕の笑みを浮かべているジルヴェラスと、緊迫した表情のフィリア。
これはフィリアの得意技だが、相手が相手だけに緊張が隠せない。

「……いけッ!」

鋭く言い放つと、光の球は一斉にジルヴェラス目掛けて突っ込んだ。
ドゥンッという音と同時に爆風が巻き起こった。

「っ!」

爆風に飛ばされないようにその場に足を踏ん張って耐える。
土煙に目を潰されないように、ギュッと目を瞑った。
……しばらくすると土煙も少しずつ晴れてきて、元の視界に戻ってくる。

「…………」

フィリアは確かな手応えを感じていた。
死角のない攻撃から逃げられるはずがないのだから。
師匠も褒めてくれた攻撃魔法だ。きっと相手は手傷を負っている。
自分を馬鹿にしすぎた報いを受けたんだ。

「……クスクス、クスクス」

笑い声が、聞こえた。

「え…?」
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