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鬼の哭く沼
第2章 宵ヶ沼
知らず、腰をくねらせたその動きは酒呑童子を誘う。誘われるままに、唾液と淫蜜で潤む入り口へ指を押し当てゆっくりと肉壺へ沈めていく。
慎重に、爪で中を傷つけないように。
「さすがに、生娘は狭いな…」
酒呑童子が漏らす感嘆の声は、香夜の耳には入らない。
身体の中に異物、しかも鬼の太い節くれ立った指が入ってくる感触に喉を晒して仰け反った。たった指一本でこの圧迫感。はっ、と苦しげに息を吐いて酸素を求め喘ぐ。
「ゆっくり、慣らさねば壊してしまうか」
「うあ、ぁ…だめ…!」
ぐるり、と指が肉壁を掻き混ぜる。香夜の身体が大きく跳ね、腰がうねった。無意識に異物を吐き出そうと、体内で蠢く指を締め付ける。その動きに酒呑童子の瞳が獰猛に光った。
「ひ…あ、やあぁ!!」
指を挿れたまま、その上にある肉芽にしゃぶりつく。襞の合間から芽を出し咲こうとする花のように、赤く熟れて充血した敏感な花芯。口を窄め、舌で押し潰し、啜り上げる。その間、指はゆっくりと香夜の腹側の肉壁を擦り何かを探すように狭い肉壺を蹂躙した。
「あ、あ…っう!」
とある一点を指が掠めた瞬間、香夜の頭の中で火花が散る。甲高い嬌声が喉をついて上がった。
「ここか…お前の良い場所は」
それまであちこち動き回っていた指が、探り当てた一点を集中して攻め立て始める。
ぐ、と香夜の爪先が突っ張り、身体中を激しく震わせた。反射的に閉じようとした足を、酒呑童子は強引に押し開いて指の腹を押し上げ抉るようにして中を掻き混ぜる。
「や、やあ…っだ、め…そこはいや、あ…!!」
「そんなに腰を揺らして何を言う。生娘でこれだけ濡れるのも珍しい…存外、お前には遊女の素質があったのかもしれんな。ほら、聞えるだろう?お前のここが涎を垂らす音だ」
しとどに濡れそぼる蜜泉。くちゅくちゅと卑猥な音が聞こえ、羞恥と惨めさでどうにかなってしまいそうだ。
誰にともなく、助けて、許して、と香夜はうわ言のように乞う。身体の奥底からじわじわと湧き上がる得体の知れない感覚が、心底怖い。この熱の塊のような感覚が弾けてしまったら、取り返しのつかない事になる。
そんな、気がした。
「も、もう…っ、あ…」
「もう、何だ?」
「わかんな…ぁ、やあ…っ」