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鬼の哭く沼
第3章 九泉楼
幾度も名前を呼びながら、須王は次第に腰を打ちつける速度を上げていく。聞える淫らな音も比例して激しくなり、香夜の咽がひくりと鳴った。
限界まで煽られ、持ち上げられた快楽がただ、落ちるその一瞬を待っている。
震える香夜の期待に添うように、胸の突起を捏ね繰り回していた手が下へと降り、赤く震える淫芯を指の腹で押し潰した。
「ああーっ…ぁ、す…おう…っ、くぅ…んン!」
「く…っ、は…香夜……」
頭が真っ白になる程の、電流の如き快感が背筋を走り抜けた。
息を止めて背を大きく仰け反らせ、二度三度と痙攣する香夜の身体に力が籠る。きつく閉じられた太股に肉竿を挟まれ、須王もまた苦しげに息を漏らす。
ぐっと、香夜の身体を軋む程強く抱きしめ、震える首筋に唇を押し付けた。
「香夜…お前の香が俺を酔わせる……」
肌に浮いた汗の玉を舌先で掬って舐め取り、その甘い香に恍惚の表情を浮かべた須王は香夜の肌に軽く尖った歯を当てる。
そのまま肌を食い破り、咀嚼してやりたいと思う…それ程に鬼の本能を刺激する、甘く芳しい香を放つ肌。その香に酔いしれ、熱に浮かされたように掠れた声で名を呼びながらそっと歯を肌から離す。
そして、力の抜けた香夜の身体を掻き抱き、解放を待つ昂りを潤む蜜壷へと強く押し当てた。
「はあ…、ぅ…!香夜、……っ!!」
一声低く吠え。
声と共に一際大きくどくん、と脈打った熱塊が膨れ、白い欲望が弾けた。