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鬼の哭く沼
第3章 九泉楼
「やはりお主は鬼よのう、須王」
黒々とした庭の夜闇の中、白銀の髪を風に舞わせて呟く九繰の声はどこか、深い。軽く手を振って右手の狐火を消し、四角く区切られた空を仰ぐ。
「鬼故に人を憎み、また鬼故に人を欲す…お前は鬼そのものよ」
なあ、須王や。
(お主はその娘に何を望む)
九繰の言葉に答えるように、チカリと星が淡く瞬いた。
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