この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
碧い雨の夜に…
第4章 【感情的に……】
打ち上げ抜け出してのナオとの電話。
「うん、会いたいね……あと20時間ほど待って」って甘い声で話してたのアキラに聞かれてるとは思わなかった。
電話を切って夜風に当たっていたらお水を持ってきてくれていたアキラに遭遇する。
「ん……飲み過ぎた?」
「わ、ありがとう、そんな飲んでないけど戻ると飲まされそうだなって」
「だよな、オーナー酒豪だからな」
「アキラは?結構飲んでたんじゃない?」
「ん、いや、俺もあまり」
「え、顔赤いよ?気付かないうちに酔い回ってるとかじゃない?」
「かな?俺も涼もうっと」
ベンチに座っていた私の隣に腰を下ろしたアキラは距離感なく近い気がした。
肩が触れてるもん。
「ねぇ、近いよ」と座り直してもくっついてくるよね。
やっぱり酔ってるじゃん。
「俺、実は嫉妬してました」
「え?なに?急に敬語?」
「最後の夜なんで暴露大会です」
「よくわかんないけど聞いてあげよう」
「仕事だってわかりきってるけど、あんなイケメンアイドルとめちゃくちゃ近い距離で振り付けするの見てて辛かった〜」
「そうなんだ?いや、俺がセンター行きたかったとか言い出すかと思った」
「ハハハ、それな!それもだけど、俺は普通に異性として嫉妬してました」
「ねぇ、アキラの方が水飲んだら?」
間接キスだけどグラスを渡したら一口飲んだ。
「お前マジで可愛いね?」
「ウザっ……酔っ払いウザいんですけど?」
「こんなのシラフでも言えるわ!暴露大会だから許して?嫉妬は確かにしたけど本気で理世のダンスに惚れ込んでる1人だから」
「おぅ、ありがとう」
「で、さっきの電話、彼氏?」
「聞いてたの?うん、そうだよ」
「上手いこといってんだ?」
「そうね、好き……だな」
「俺よりも?」
「当たり前でしょ」
「俺と付き合ってた時も同じ気持ちだった?」
「あのさ、何回も言ってるけどいつ私たち付き合ってた?全っ然記憶にないんですけど」
「俺のダンス好きだって言ってくれたじゃん、その辺あたりじゃね?」