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碧い雨の夜に…
第5章 【不変的に……】
「ごめんなさい」
猛省してるということで許してあげることにした。
そんなに怒ってるわけではなかったけど、調子に乗るとまたグイグイ来られても困るから。
「もう良いよ、それより体調はどう?気持ち悪いの治った?」
「はい、もうスッキリでございます」
「そりゃ良かった」
「あの、こんなこと言うの痴がましいとはわかっているのですが……」
「なに?」
「近くで見て良い?」
「は?」
「良いよね?それ俺の服だもん、ありがとう」とか訳の分からないことを言って急に近付いてくるから後退りベッドに座る。
足元に来たから「待って、座って」と阻止する。
ん?この立ち位置もヤバいのか?
完全に待て状態のアキラ。
飼い犬と主の関係みたい。
適当に借りたTシャツとハーフパンツ。
素足のぞかせて洗い髪乾かしたシャワー後の私。
「もう1回言っとくけど、ナイからね?私とアキラはその域には行かない」
「何がダメ?あの時のキスが嫌だった?毎日絡んでくるのウザかった?毎回毎回言ってくるから全然信用ない?」
「いや、そうじゃなくて、アキラとはそういうことしたくない、簡単にハメ外したくないの」
「男として全然見れないってこと?親友の域から俺は出れないってことか…」
どう伝えたら良いのか時々わからなくもなる。
この空気のような存在を上手く言い表わせない。
「ごめん」としか言えなかった。
傷つくのわかってて。
でもお酒残ってる状態で言えることじゃない気もする。
覚えてないかもだし。
「でもさ、俺とキスしたよ?それ絶対忘れて欲しくない……俺にとっては特別な思い出だから」
「うん、キスしたって言うより無理やりされたんだけどね」
「はい、すみません」
「過ぎたことどうのこうの言うの好きじゃないからとやかく言わないけど、アキラの中でそう思ってくれてるならそれで良いんじゃない?」
「本当?理世にとってもそうであって欲しいんだけど……アレ?そうでもない?何とも思ってなかった系?」