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碧い雨の夜に…
第1章 【衝動的に……】
結局、無理やり一緒に入ってまた服を借していた。
「え、リセちゃん、この服メンズのだけど……」
「ん、私普通にメンズサイズの服着るよ?ナオは丁度良いかもね」
「元カレとかの……かと思った」
「アハハ!よくそれ聞かれるけど、私、此処に男連れ込んだことないからね?一度も」
「えっと………ボク男の子ですけど」
「そっか、じゃ、ナオが初めてだ」
そう言うと頬を赤らめたような気がしたので、まだ下着姿の私だけど顔を覗き込んだ。
「ナオ…?私、ナオが男の子でも女の子でもどっちでも良いよ?出会っちゃったんならとことん好きになるよ、イエーイ、友達!」
ハイタッチを求めたら遠慮がちにタッチしてくれた。
その手をギュッと握ってヘラヘラ笑う私の髪を乾かしてくれてる途中で寝落ちしたみたい。
まだわからなかったよ、この時もうすでに両思いだったってことなんて。
“リセちゃん”って可愛く呼んでくれるナオがいつの間にか癒やしになっていた。
朝方近くに目が覚めると向かい合ってギュッと抱き締められて寝ていた。
携帯を見るとまだ夜中の3時過ぎ。
ベッド脇の間接照明をつけて初めてナオの寝顔を見た。
ヤバい………胸がギュンと掴まれる。
寝顔まで綺麗。
こんな華奢な腕なのに腕枕してくれてたの…?
ダメじゃん、痺れちゃうよ。
戻したのにまた私を抱き枕のように抱き締める。
当たり前だけど胸はない。
そこに顔を埋めた。
誰かの温もりをこんなに求めた日はないくらい身体を擦り寄せた。
寝惚けてたのかな?
背中を優しく擦られ頭もポンポンされた。
スースーと規則正しい寝息にさえちょっとドキドキしたんだよ。
朝起きて、もう寝顔はなかった。
リビングのテーブルでピアスをつけながら、もうメイクバッチリなナオが起きた私に「おはよう」と言いながら近付いてきた。
まだ頭がボーッとしてるはずなのに起きて一番最初に思ったこと。
口にしたくて、でも寝起きだから歯磨きしなきゃ。
手で口元を覆い「ちょっと待ってて」とナオを横切った。
急いで顔を洗い歯を磨きリビングに戻る。
「どうしたの?慌てて」
昨日と変わらないナオに胸が熱くなってるのは私だけなのだろうか。