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碧い雨の夜に…
第3章 【必然的に……】
「リセサンノダンススキデス」
「カッコイイヨ」
平均年齢18.5歳のガールズグループで日本が大好きで日本語を勉強中なんだとか。
ほんの数分レクチャーしただけで丸暗記しちゃうほどダンス歴も長い。
一度通しで全部踊ってもらったらなかなかのキレで数段も格好良くキマっていた。
見てるこっちが興奮して拍手を送る。
本当、言葉の壁なんて感じない。
踊れば血が騒いで絆が生まれる。
画面越しに指ハートいっぱい送ってくれて私たちのハートは射抜かれた。
顔面偏差値もトップレベルでキレッキレのダンス踊ってくれるんだからこりゃ人気出るわって話。
あっという間に1時間は経ち、初めてのリモートレッスンは終了した。
「可愛かった?良いなぁ、BLOOM俺も会いたかった〜」と嘆くアキラが絡んできて軽くあしらうもしつこさに磨きがかかってる。
髪の毛触ってきたりピアス揺らしてきたり構ってちゃんアピールが凄くて。
「アキラさん、それ、セクハラっすよ?」
急に割って入ってきたのが後輩の男の子、タクヤ。
プロのダンサー2年目でブレイクダンス担当の細身だけど腹筋はバッキバキに割れてる陰の努力は怠らない子。
「ほら、行きますよ、掃除まだ残ってるじゃないですか」ってアキラを連れて行ってくれた。
ナイスアシスト。
最後にチラッとこっち見てくれてジェスチャーでありがとうと伝えた。
それを見ていた仲間たちも
「もうそろそろ次の恋愛にいけばいいのにね」とアキラのことを言う。
「いや、それは………私が傍に居るんじゃなかなかなんだろな」
ボソッと口から本音が出てしまいハッとした。
皆の視線が痛過ぎる。
「あ、いや、腐れ縁だから余計にわかると言うか………ごめん、どの面下げて言ってんだ、だよな、私」
シュン…としたら「何言ってんの」って背中バシバシ叩かれた。
「何回も断ってるの見てるし、現に彼氏作ったんだからそれが理世の答えじゃん、受け入れられないアキラが女々しいだけだよ、うちらちゃんとわかってるから気にするな」と言ってくれて少しだけ心が軽くなる。
「いや、あの彼氏ならそっち行くの全然わかるし」
「アキラも良い奴なんだけどね〜」
「一生、理世の周りに居そう」
「よ!モテ女!」
だから違うってば。