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碧い雨の夜に…
第3章 【必然的に……】
でも男の子の姿よりも今の方が私から甘えられる。
エレベーターでも手を引いてキスしてってお強請りしたり、帰ってきてからもくっついて離れないの。
「やっぱりこっちのボクが好きなんだね」
それは悲しみの顔ではなくて嬉しそうな顔。
「最初に見たインスピレーションのままだから、かな?早く手に入れたくて仕方なかった」
並んで手を洗ってうがいもしたら。
恋人繋ぎしてきて「手に入れた感想は?」って可愛く聞いてくる。
「ヤバいくらい毎日が幸せだよ?」
「うわ〜今の上目遣いは非常にヤバいです、リセちゃん」
「ん?だってナオの方が背が高いんだからそうなっちゃうでしょ」
買ってきたアイスを冷凍庫に直して、これから一緒にご飯作って食べるんだけど。
髪を結んだらうなじにキスを落としてきて。
「毎日ヤバいのはボクも同じ、リセちゃんの仕草ひとつや言動、綺麗な寝顔も格好良いダンスも勉強熱心な姿もボクを欲しそうに見る眼差しも全部、ボクの心臓を鷲掴みして離さないんだ」
まだ女の子の姿でハグされてドキドキもするし良い匂いして色々とヤバいです、こっちも。
「つまり、全部好きってこと?」
「うん、こんなに痺れる相手は初めて」
「え、私、クラゲか何かだったっけ?」
「アハハ、噛まれたら大変だ、でも捕まえてないとスルリと手をすり抜けていきそうな感じは少し似てるかもね」
振り返って目が合うと、欲しそうに見るのはナオの方じゃんって思った。
「すり抜けては行かないけど、ちゃんと捕まえててくれるんでしょ?」
「うん、もうリセちゃんの居ない日常は考えられないから」
「それは私も同じ」
「うん………キス、して良い?」
「何で聞くの?良いに決まってる」
「ちょっと長いよ?チュッで終わりじゃないけど良い?」
「ん…………腰砕けない程度なら」
今からご飯作るからね、息が上がって立てなくなったら困るもん。
優しく触れてきたナオの唇は柔らかくて温かい。
そっと後頭部を支えたり耳を塞がれたり、背中に触れる手が腫れ物を扱うくらい丁寧で。
腰ではなく頭の中がクラクラするほど脳にくる。