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激しくしないでっ!
第2章 告白!?
「でも、谷口くんのこと一目見た時から、ずっと忘れられなくて……こんな綺麗な手首した人見たことなくて……一度でいいから、縛ってみたいんです……っ」
「え、手首!? 縛らせてほしいの俺の手首なの!?」
とりあえず『何を』かはわかった。謎はすべて解けた。いやまだ一個だけど。
「はい!」
彼女はにっこりと笑って、俺の右手をぶんぶんと振る。
いや、そんな可愛らしい笑顔で。
それからうっとりとした表情で、俺の右手の甲から手首にかけてのラインをなぞるように触ってきた。
「この、色が白くてきめの細かい肌。男の方(かた)なのにすらりと伸びた細くて長い指。手首にぽこっとなった骨と浮き出た静脈のコントラストがたまりません!」
「ごごごごめんわかんないかな! 何言ってるのかさっぱり!」
「わからなくてもいいんです! ようするに、あなたの手首は他のどの方よりも美しいということです!」
涼川さんは必死げに、それこそ地球温暖化を声高に叫ぶ研究者のように激しくまくし立ててくる。
俺の中の涼川さんのキャラが、ガラガラと音を立てて崩壊していく……。