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激しくしないでっ!
第3章 おうち訪問!?

 仲の良さげな親子の会話。でも俺は『部屋で』という言葉を妙に意識してしまって、一人ドギマギした。

 部屋で、というのは流れ的に見ても彼女の部屋だろう。

 同い年の女の子の部屋。しかも涼川さんの部屋。

 なんだか足を踏み入れてはいけない聖域に土足で乗り込もうとしているような、そんな気分になる。


「谷口くん?」


 呼ばれて、びくりとなる。


「こっちだよ」


 手招きされるままついていく。

 彼女は廊下の奥にある階段を上り始めた。俺は彼女のスカートの中を見ないよう下を向いてその後を追った。

 階下からは彼女の母親からの、「ごゆっくりー」という間延びした声が響く。

 奥さん。娘さんが部屋に男を連れ込もうとしているのにそんな呑気でいいんですか。しかもボクの手首縛らせてとかアブノーマルなこと言ってきてるけど止めなくていいんですか娘が心配じゃないんですか、まったく今の若いお母さんは性に関して無頓着すぎて――。


「ここだよーどうぞ」

「は、はいっ!」


 脳内で弾丸トークを繰り広げていた俺は、彼女の言葉にビシッと姿勢を正した。
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