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激しくしないでっ!
第3章 おうち訪問!?

 ダメ? と小首をかしげた瞬間、彼女の吐息が手首にかかる。その感触にぞくりとした。


「ダメじゃないけど」

「なんだか……」


 そう言いかけて涼川さんが言葉を止める。


「え?」


 伏せ目がちにつふやいて、自分自身戸惑ったような顔で、言う。


「なんだか変な感じ。ねえ、もっと縛ってもいい?」

「縛るって、どこを?」


 問い返すと涼川さんはいったん俺の手首を離し、俺の全身を眺めた。


「どこならいいの?」

「え……」


 どこならいいのと聞かれても、困ってしまう。

 涼川さんの指先が、ふいに俺の胸元に触れた。ブレザー越し、気付けばすぐ近くに彼女の顔があった。

 黒目がちな大きな瞳が潤んでいて、その表情が扇状的に見える。


「涼川……さん?」

「じゃあ少しだけ、触ってもいい?」

「ど、ど……」


 どこをと聞こうとしたが、とっさに焦ってしまって言葉が出てこない。

 俺はガチガチに緊張したまま動揺してしまって、何も答えられなかった。

 それを許可と取ったのか、彼女の手はブレザーの中に入りこみ、ワイシャツ越しに俺の胸元を触ってくる。
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