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激しくしないでっ!
第4章 れっつぷれい!?
そして迎えた月曜日。俺は憂鬱な気分で家を出た。
もし涼川さんと会ってしまった時、どんな顔をすればいいんだろう。女の子を突き飛ばして、部屋を飛び出すなんて、一端(いっぱし)の男の行動としてもどうなんだ。
その上あの夢。
いろいろと後悔やら自己嫌悪に襲われ逃げ出したい気持ちになりながら、学校へと向かった。
玄関から自分のクラスに行くのに、いつもだったら彼女のクラスを通る。でも今日はあえて遠回りして、別の階段から教室へと向かった。
……が。
「あ、おはよう。谷口くん」
予想外。計算外。想定の範囲外。
「お、おは……おは」
だからどもるな、俺!
「おはようございマス!」
引きつった顔で挨拶を返す俺に、彼女、涼川裕美は無垢な微笑みを浮かべた。
まさか俺のクラスの前にいるなんて、誰が予想できたろう、いやできるはずがない。
古典でこの前習ったばかりの反語を頭に浮かべながら、俺は固まるしかない。
いきなりか。心の準備もできてないのにいきなり遭遇するパターンかこれ。いや違う。俺のクラスの前にいるってことは、きっと彼女は俺のことを待っていたんだろう。